LSF58とやまの魅力③ [更新日:2025年7月31日] LSF58 とやまの魅力 第3回「漆工芸と美」を開催しました。 🔵日 時 令和7年7月18日(金)13:30~15:30 🔵場 所 県民カレッジ富山地区センター学習室 🔵テーマ 漆工芸と美 🔵講 師 日本工芸会正会員、富山大学名誉教授・客員教授 林 曉 氏 漆芸家、教育者として、ものづくりに向き合ってこられた林先生から、これまでに考えてきたこと、漆の魅力などについて教えていただいた。受講者は、先生の率直な語り口と温厚な人柄に触れながら、漆工芸の美を学んだ。 現代において漆でモノを作る意味は? 大学で学生に問いかける質問を紹介された。一人ひとりに寄り添い、漆工芸との向き合い方について考えさせておられる。また、お椀を使うと漆の良さが実感できること、漆は非常に強いもので、その扱いは難しくないことを知った。 「コト」と「モノ」について 人は様々なモノを言葉に当てはめ、コトとして整理しているが、コト(言葉にしたこと)とモノのバランスを整えることが、より良く生きるために大切だとお話された。 漆工芸に進んだ理由 ものづくりが好きで工学系を考えたが、当時の公害の原因を考え、芸術分野に進まれ、どのような素材にも対応できる漆を専攻された。 私が思う漆工芸の魅力 漆そのものが持つ魅力、日本の芸術文化を支えてきたこと、異なる素材を使いこなす魅力、手技の最高峰を求めることができる可能性について、お話しされた。 歴史に残る日本の漆芸品 平安時代の「片輪車螺鈿蒔絵手箱」をはじめ、各時代を代表する作品について、使われている技法などを解説された。また南蛮漆器と当時の反響にも触れられた。 近現代の漆工芸 蒔絵の人間国宝、田口善国氏の「日蝕蒔絵飾箱」、髹漆の人間国宝、増村益城氏の「乾漆盛器」をはじめ、学生たちの作品などを紹介された。 林曉先生の作品紹介 日本工芸会会長賞を受賞した「乾漆朱塗食籠」など多数の作品を紹介された。また、石膏で作った乾漆器の原型や3DCADによる乾漆原型制作について説明された。積極的に最先端のデジタル技術を活用されている。 富山大学芸術文化学部附属技藝院での仕事 高岡御車山や城端曳山などの修理に携わり、デジタル技術を活用して、どう修復していくかを検討されているそうだ。 講座実施日の夕方、「7月18日(金)開催の文化審議会において、林曉氏が重要無形文化財「髹漆(きゅうしつ)」技術の保持者(人間国宝)として追加認定の答申がなされた」との報道があった。 講師メッセージ(地区センターに掲示しています) 「皆で美しいものを沢山みつけましょう」 受講者の皆様からは ・質疑応答での解説がよかった。わかりやすかった。・うるしの大切さ、工芸品としても、生活の中の道具として使ってみたいと思いました。・うるしの扱い方は意外とシンプルという事で、これからはもっと使っていきたい。 ・林先生の漆器制作中の画像又は映像が見たくなりました。 などの感想をいただきました。 LSF58 令和7年度前期「とやまの魅力」は、終了しました。他の回の活動紹介は以下のページにあります。 第1回 チンドンマンと富山~チンドンコンクール70年のあゆみ~ 第2回 ライチョウの未来を考える! お問い合わせ先 富山地区センター 〒930-0009 富山県富山市神通町二丁目12番20号 電話番号:076-441-0301 FAX番号:076-441-0328