吉川先生は、2010年、仕事で富山に来られたことをきっかけに富山に移住された。

　2017年、NPOギソクの図書館メンバーとなられ、ご自身も義足で走ることを始めながら、走りたいと願う義足ユーザーの支援活動を始められた。

　現在、建築設計、デザインの仕事や専門学校での建築学教育に携わりながら、マラソン、トライアスロン、登山などに楽しみながら挑戦しておられる。

　講義では、まず、義足について説明された。普段の生活で使用する義足と、走る際に使用する義足の仕組みや違いなど、分かりやすく話された。2種類の義足を持参され、受講者の前で着脱の様子も見せていただいた。

　次に、「命をつないでくれた3つのこと」を示しながら、ご自身のやりたかったこと、闘病生活、周囲の人たちとの関わりなどについて話された。

　後半は、先生が走ることになったきっかけやギソクの図書館の活動について、さらには、ご自身や周囲の人たちの「走る喜び」について話された。スライドに映る義足を装着して笑顔いっぱいで走る子どもたちの笑顔が印象的だった。

＜受講者の感想から＞

・私には過酷と思える人生を歩んでこられたのに、先生の明るく力強い話しぶりに圧倒された。すてきな家庭を築いておられるんだろうなと思った。

・「ギソクの図書館」の活動はすばらしい。自分のことだけで精一杯な人がいる中で、他の人たちのこと、広い世界のことも考えておられる姿が自然ですてきだ。

・闘病しながら、やりたいことをあきらめず、前を向いて生きてこられた先生の姿に胸を打たれた。自分も今後どんな人生になるか分からないが、先生の姿を思い出しながら生きていこうと思った。

・先生が病気を乗り越えて命に真剣に向きあってこられたことが伝わってきた。先生がどんな状況になっても好きなスポーツを続けられている姿は、私の老後の人生を生きる励みになった。