はじめに

群馬県出身の大谷先生は、自己紹介の中で、以前は「富山は遠い」という印象をもっておられたそうだが、北陸新幹線開業で「富山に縁ができた」とお話しされた。

北陸新幹線の概要

全国整備計画が決定されて51年も経って、ようやく敦賀までつながっていることを知った。

新幹線開業による変化や影響には、時間が経たないとわからないものがあるので、短期、中長期に分けて考えていく。

短期的な金沢開業の効果や影響について

各種データをもとに、①近くなった長野、遠くなった新潟、②乗客は約３倍になり潜在需要を掘り起こしたこと、③金沢を除けば開業効果は一時的だったこと、④首都圏市場が最大のマーケットになっていることなど、説明された。

中長期的な金沢開業の効果や影響について

大学進学について、首都圏への進学は短期的には増えたが、中長期的には減少している。また、上信越への進学が増え、大都市圏からの北陸の国立大学への進学者が増えていることも説明された。

また、①企業の支店の統廃合、②オフィスビルのホテルへの転換、③まちの中心の駅前へのシフト、④まちの賑わいの状況など、説明された。賑わっているように見える商業施設でも空きテナントが散見されると伺い、まちの賑わい創出を進めているのに、なぜ？と思った。

敦賀開業がもたらした影響

東京への時短効果は薄いが、福井県では関東、信越からの来訪者の伸びが顕著にみられる。

本物志向の観光振興を

観光地・特産品を、認知度と訪問（購買）意向の関係から、４つ（花形、人気先行、実力派、負け犬）に分類し、観光振興の方策について説明された。

北信越はひとつに

敦賀延伸により、1時間圏（≒生活圏）が劇的に変化した。北陸・信越エリアの時間距離短縮をもたらしている。今後、北陸・信越地域相互の結びつきを強めることに期待しているとお話された。 

おわりに

最後に、敦賀以遠の状況を説明された。各県の期待や課題が交錯しており、整備の難しさがわかった。

早く繋がらないかと期待するばかりではなく、現在の北陸新幹線を私たちの生活や地域振興にどう生かしていくかを考えることが大切だと思った。

講師メッセージ（地区センターに掲示しています）　

「ないものねだり から あるもの探し へ」