LSF67 みんなの笑顔を守る③ [更新日:2025年11月29日] みんなの笑顔を守る 第3回 を開催しました 〇日 時 令和7年11月29日(土)10:00~12:00 〇場 所 県民カレッジ富山地区センター学習室 〇講 師 往診専門動物病院まりこ動物往診所 獣医師×中獣医針灸師×防災士 竹野 まりこ 氏 〇テーマ 動物と人を守る ~日々命と絆にふれる往診日記、獣医師×防災士の立場からみる災害時の備え~ 最初に獣医師の仕事内容について教えていただいた。獣医師と言っても動物病院で働く方は半数であり、その中でも犬や猫などの診療だけでなく、家畜(経済動物)の診療に携わる方もおられるそうだ。他には公務員として公衆衛生分野や農林水産分野で検査や管理、普及活動される方、他にも製品・食品企業で研究される方もおられると知った。竹野先生はこれらの色々な仕事内容をほぼ経験されたそうで、その中でも大型動物の診療を希望され、患畜の移動や待ち時間を軽減したいという想いから周りでは誰もやっていなかった往診スタイルを始められた。 往診診療は交通手段がない、多頭飼い、妊娠・育児中などの場合に重宝され、患畜のストレスもなく飼い主との信頼関係も強化されるなどのメリットもある。 往診診療では通常の動物病院で行われる健康診断や予防接種、爪切り、不妊手術、リハビリなどが行われる。往診の特性上、高齢動物の診療や終末期治療に関わることが多いそうで、中医学治療も学ばれて鍼灸や漢方も取り入れた治療をされているそうだ。実際に診療した柴犬や飼い猫の写真を見ながら具体的に行った治療の様子を紹介していただいた。 能登半島地震の際には、現地にボランティア活動に出向かれ、ペットとの避難の難しさを目の当たりにされたとのこと。避難場所でペット同伴を断られたり、ペットと車中泊をしてエコノミー症候群になってしまったりした事例があった。これを機に竹野先生は防災士の資格も取得された。各地域でどの避難所がペットを受け入れられるのか決まっていると良いという今後の課題も示された。 最後に避難所運営ゲームHUGをご紹介いただいた。静岡県で開発されたもので、ゲームの趣旨ややり方だけでなく、東日本大震災の前にゲームを体験された方の声なども動画で視聴した。ゲームでは、避難所にペットを連れた人、子ども・お年寄りなど様々な状況を抱えた方々が次々に来られ、場所をどう振り分けるかを考えていった。正解が一つではなく、受講者方々は様々な意見を出し合いながら最適な方法を検討されていた。 災害の起こる前に、ペットをゲージに入れる練習、災害時にペットを預けられる仲間づくり、備蓄品とペットの写真の準備などをしておく大切さをお聞きした。竹野先生は動物や人に対しての愛情が深く、そのために積極的に活動しておられる姿が印象的だった。 受講者の方々からは、 「動物は飼っていないですが、新しく考え方を知ることができました。」 「日頃の予備計画の必要性を実感した。」 「おもしろかった。このゲームを通して考えさせられることが良くわかった。」 「避難所で受入ができなかった時はどうしたらよいか。」 などの感想をいただきました。 今回で「みんなの笑顔を守る」は終了しました。ありがとうございました。 お問い合わせ先 富山地区センター 〒930-0009 富山県富山市神通町二丁目12番20号 電話番号:076-441-0301 FAX番号:076-441-0328