LSF67 みんなの笑顔を守る① [更新日:2025年11月8日] みんなの笑顔を守る 第1回 を開催しました 〇日 時 令和7年11月8日(土)10:00~12:00 〇場 所 県民カレッジ富山地区センター学習室 〇講 師 富山短期大学食物栄養学科 教授 竹内 弘幸 氏 〇テーマ 健康を守る ~気になる食の安全問題~ 講義の前半は食の安全の基礎知識、後半は最新の研究内容を教えていただいた。そもそも安全と安心はどう違うのか、そして毒性学の父パラケルススの「万物は毒であり毒でない物は存在しない。用量のみがそれを決める」という名言を説明してくださいました。体に良いと言われる食品も適量が大切だと分かりました。 次に食中毒についてお聞きした。ノロウイルスなどの「菌」は、アルコールや冷凍では殺菌ができないため、洗って菌を落とすことが大切とのこと。加熱殺菌が有効な場合もあるが、すでに毒ができてしまったら分解できないことや、耐熱性の菌も存在することに注意する。また、アニサキスによる食中毒は治療法がなく、胃カメラで発見するか自然に消失するのを待つしかないそう。スーパーなどで売っているものは安心できるが、釣りなどで捕った魚は温度管理が重要だそう。 後半の講義は「トランス脂肪酸」について、研究の結果やグラフを利用し、事実に基づいたご説明をいただいた。一時期、マーガリンはトランス脂肪酸がたくさん含まれているとの過剰な報道が出ていたが、企業努力により現在はバターよりも含有量が少なくなった。日本の一般的な食事では、トランス脂肪酸の摂取量は問題ないことが理解できた。 最後に「マイクロプラスチック」に関する最新の研究内容を教えていただいた。プラスチックごみが長い年月をかけてより微小なサイズに分解され、世界中の海洋だけでなく土壌も汚染されているそう。その結果、魚貝類だけでなく、野菜や果物、水など様々な食品にマイクロプラスチックで汚染されているとのこと。現在、マイクロプラスチックの健康への影響は研究が進められている途中段階のようだ。私達ができる対策は、同じ食品ばかり食べ続けないというリスク分散をすることや、運動・休息・栄養など健康的な生活習慣を心がけて抵抗力をつけることが挙げられる。 「トランス脂肪酸やマイクロプラスチックはこれからの我々の問題だと感じます。改めて反省やらもっと勉強する必要を感じた。」 「聞きとりやすい話し方で、内容も分かりやすかったです。参加できてよかったです。ありがとうございました。人参にもマイクロプラスチックが吸収されているとは…。」 「マーガリンのトランス脂肪酸が健康面を配慮して最近大幅に減らされたことを知り安心しました。」 などの感想をいただきました。 次回は、 11月22日(土)「松川の桜を守る」、講師は(一社)日本樹木医会富山県支部 顧問 西村 正史 氏です。 お問い合わせ先 富山地区センター 〒930-0009 富山県富山市神通町二丁目12番20号 電話番号:076-441-0301 FAX番号:076-441-0328