LSC68「地域交通の歴史、そして未来」第3回を実施しました。 [更新日:2025年12月19日] 日 時 令和7年12月15日(月)13:30~15:30 会 場 高岡地区センター学習室 内 容 城端線・氷見線の再構築と 沿線の交通まちづくりを考える 講 師 富山大学都市デザイン学部 教授 本 田 豊 氏 【講座の概要】 最初に、統計資料や新聞記事を用いて富山県の交通問題についての現状分析がなされた。その中で、これまでの地域公共交通が陥っている「負のスパイラル」についての認識を深め、民間事業者だけの努力では地域の公共交通を維持することが困難な現状であり、地方自治体や地域住民が公共交通の維持・拡充に積極的に「投資」「参画」すべき時代の到来を指摘された。 そうした中、「地域交通の活性化」という切り口から、過度なクルマ社会のなかで生じる様々な都市問題を改善して、「持続可能な都市」を作っていくという「交通まちづくり」の考え方を示され、2007年5月に成立した「地方公共交通の活性化および再生に関する法律」(現在までに数度の改正が行われている)をベースに、地域の関係者の連携・協働を通じて、利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通への「リ・デザイン」(再構築)を進めることとなった。 後半では、「富山県地域交通戦略会議」や「城端線・氷見線再構築事業」などの会議の内容を具体的に紹介され、どのようにして現在の城端線・氷見線再構築事業が進められてきたかを話された。令和4年度に始まった「富山県地域交通戦略会議」では、ウェルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスの実現、自治体や地域住民の積極的な関与・参画、事業者間の協調、関係者間の役割分担・責任分担について考え、地域全体で実現を目指す考え方が示された。「城端線・氷見線再構築事業」については、令和2年1月のJR西日本の両線のLRT化等の提案を受けて、「城端線・氷見線LRT化検討会」が立ち上げられたことが、現在の「城端線・氷見線再構築会議」につながっている経緯を詳しく話された。県の地域交通戦略との整合性を図ったうえで、現在進められている新型車両の導入、交通系ICカードへの対応、既存起動設備の改良、運行本数の増加、パターンダイヤ化、両線の直通運転化などの実施計画が取りまとめられた。 最後に、この城端線・氷見線の再構築を後押しする実践活動の重要性について、県西部で2020年から展開されてきた沿線地域におけるアイデアソンやワークショップ、意見交換会などの地域の輪を広げる実践活動の重要性について話され、沿線の市民活動なくして、地域交通の将来はない、沿線各市が持続可能な都市として生き残るためには、現在検討されている鉄道再構築事業は最後の大きなチャンスであると述べられた。 【受講者の感想】 ・興味ある話を楽しく聞くことができ、ありがとうございます。さみしく思うのは、人口減少や過疎化等の理由から公共交通の利用が少なくなってすでに十数年が経つのに、やっとこのような討議がされるのは悲しい。 ・考えさせられる事項が多くあり、大いに問題点を掘り下げていかなければと思いました。公共交通、地域交通の在り方も合わせて町づくりを考え、一方で少子化による人口減少も考えていかなければと思いました。本日は本当に奥深い学習となりました。 ・城端線・氷見線の再構築事業について、詳しくお話しいただき、よく理解できました。地域交通の維持は大変重要であり、住民の関心をもっと高めるべきかと思います。 LSC68「地域交通の歴史、そして未来」は今回で最終回となります。 ありがとうございました。 お問い合わせ先 高岡地区センター 〒933-0023 高岡市末広町1-7 ウイング・ウイング高岡7F 電話番号:0766-22-5787 FAX番号:0766-22-5872