LSC70「続・とやま食べものがたり」第1回を実施しました。 [更新日:2025年10月22日] 日 時 令和7年10月18日(土)13:30~15:30 会 場 高岡地区センター学習室 内 容 越中の古代からの食文化 講 師 郷土料理研究家・料理人 経沢 信弘 氏 【講座の概要】 1. 古代越中の万葉料理 日本最古の歌集である「万葉集」をもとに再現した古代越中の食について紹介された。 ・葦附(あしつき): 雄神川(おがみがわ)の歌に登場する川藻で、現在では稀にしか見られない貴重な食材。レシピは残っておらず、酢の物で再現した。・鮎(あゆ): 婦負川(ねいかわ)での鵜飼(うかい)の歌から、当時の漁法や鮎料理がうかがえる。・蘇(そ): 古代の乳製品であり、滋養強壮や薬として摂取されていたと考えられている。2.日本海の発酵食品(なれずしを中心に) 味噌、醤油、酒など、発酵食品が基本となる日本の食文化において、特に発酵食品が多い日本海側の食文化、中でも「すし」の原点とされるなれずしに焦点を当てた。 ・なれずしについて: 塩漬けした魚を米飯と共に漬け込み熟成させる発酵食品で、主に乳酸発酵によって特有の酸味と保存性が付与される。「すし」という言葉は、その「酸っぱい」味に由来するとの説がある。起源は稲作と共に東南アジアから伝来したと考えられている。・井波別院瑞泉寺:太子伝会の際の昼食(お斎)として鯖ずしが配られる。麹を用いた製法である。・城端別院善徳寺:虫干し法要の際のお斎に鯖ずしがつき、こちらは御飯のみを使用する古来の製法で作られている。3.砺波地域の報恩講料理 富山県砺波地方では秋の収穫や冬支度が終わった頃に、浄土真宗を開いた親鸞聖人の御命日に感謝してホンコサマ(報恩講)が行われる。 ・ホンコサマの御膳:めでたい喜びの日なので赤御前(葬式や年忌は黒御前)を用いる。その年に採れた最も良い食材を使って作られる。・代表的な料理:いとこ煮、呉汁(豆汁)、円山(ガンモドキ)、よごし、ゆべし・現代の状況:門徒の減少などにより、現在ではほとんどのお寺で作られていない。料理屋の仕出しに頼むことがほとんどである。 【受講者の感想】 ・昔懐かしい伝統料理を思い出しました。少しでも残したいと言われる先生に尊敬の念を抱きました。 ・昔からの食べものの話が面白かった。 特に報恩講料理は、出身が砺波なので懐かしかった。 ・海や川の自然の恵みと米との融合を考案した先人たちの偉大さを感じ、敬遠しがちななれずし、鯖ずしなどを食べ見ようと思いました。 ・懐かしい報恩講料理のスライドを見せていただき、昔祖母に手を引かれて連れていかれたこと思い出しました。 【次回のお知らせ】 日 時 令和7年11月8日(土)13:30~15:30 会 場 高岡地区センター学習室 内 容 安心・安全な食がワタシの心と体を作る 講 師 コミュニティカフェ・カフェゴッコ 代表 広野 美代子 氏 お問い合わせ先 高岡地区センター 〒933-0023 高岡市末広町1-7 ウイング・ウイング高岡7F 電話番号:0766-22-5787 FAX番号:0766-22-5872