令和7年度 高岡地区「教養講座」第3回を実施しました。 [更新日:2025年6月28日] 日時 令和7年6月20日(金)14:00~16:00 会場 ウイング・ウイング高岡 503/504研修室 演題 佐伯宗義 萬里一條鐵 ~その信念と実行力~ 講師 富山地方鉄道 百年史編纂事務担当 村井 義治 氏 講座の概要 プロローグ・略歴 富山地方鉄道本社に掲げられている「萬里一條鐵」額について、その来歴、禅語に由来する言葉の意味を紹介した。昭和5年に富山電気鉄道として創立された会社は、現在鉄軌道合計108.4㎞の営業キロに及ぶ県東部における重要な交通機関として位置づけられている。 交通事業者として 経営不振に陥っていた信達鉄道(現:福島交通)の専務取締役として就任した佐伯は、同社の再建を完了したのち、昭和5年に富山電気鉄道を設立した。ただ、明治・大正期に創設された県内の鉄道会社は統一性に欠けており、「一県一市街化」構想の下、交通基盤整備で、河川で分断された地域社会を富山と直結させ、労働、文化、教育の機会均等を目指した。 政治家・学究者として 昭和22年に衆議院議員に初当選した佐伯は、昭和47年までに8回の当選を数えた。新しい日本の政治を切り開くには「清新な構想力」「逞しい行動力」が必要との信念のもと、「陳情」は受け付けず、「政務次官」「大臣」の椅子も拒否するなど、自らの信念に基づいて政治に取り組んだ。また、学究者としても「複式企業論」で経済学博士号を取得し、交通事業や電気事業などの公益事業運営に「株式会社」方式を導入することを提唱している。これは、今日の公設民営化方式につながるものと考えられる。 立山黒部アルペンルートの開発 昭和27年に立山開発鉄道(株)を設立し、立山黒部アルペンルートの開発に着手した。その後約20年の年月をかけ昭和46年に全線開通に至った。昭和39年に設立した立山黒部貫光(株)の社名には、「時間を縮め空間を跳乗」するという佐伯の哲学が盛り込まれている。 一県一市街地化とコンパクトシティ構想 富山市のまちづくりの理念である「コンパクトなまちづくり」は佐伯が構想した「一県一市街化」を現代に合わせた施策として実現したものと考えられる。公共交通を活性化させ、沿線に住居、商業、業務、文化などの都市機能を集積させている。 受講者の感想から 事業者、政治家、学究者という三つの顔をもつ佐伯宗義のスケールの大きな人格を丁寧に説明され、期待通りのお話でたいへんためになりました。富山が誇る偉人ですね。 地方発展のために力を注ぎ、我々は今その多大な恩恵を受けている。偉大な業績をお聞きし、考えさせられることがたくさんありました。 次回予告 第4回教養講座 7月11日(金) 14:00 演題:日本総合リサイクルの誕生と現在の取り組み(現地研修) 講師:高倉康氏 氏(日本総合リサイクル株式会社 代表取締役社長) お問い合わせ先 高岡地区センター 〒933-0023 高岡市末広町1-7 ウイング・ウイング高岡7F 電話番号:0766-22-5787 FAX番号:0766-22-5872