チョッと日が経ちましたが、9月29日に行なった教養講座截金(きりがね)技法について述べたいと思います。
截金(きりがね)は古くは細金(ほそかね)とも言い、近年は切金とも書きます。
截には断ち切るという意味があるそうです。
・その截金に使用される金箔について
金(きん)は非常に展延性があり、叩くことによって、なんと1000分の1ミリの薄さにまでなります。これが金箔です。
長さで換算すると、1グラムで3,000メ−トルも延びるそうです。
その金箔を4〜5枚張り合わせて截金の素材としています。
・截金の歴史
古くは奈良時代から用いられ、おもに仏像など仏様関係の装飾に使われました。作品の特徴としては
奈良時代では箔が粗かったため、△、□を組合わせた模様や点文とか直線のみが多く、
平安時代になって漸く曲線が可能となり、卍、唐草などの模様で豪華なものになってきました。
鎌倉時代に入るとさらに豪華となり、それを競い合うようになったようです。
・截金の施工法
1・金箔を4〜5枚、熱を加え、張り合わせる(箔焼合わせ)
2・なめし皮の上で竹刃を用いて切る
3・左右2本の筆を使い、模様を描き、ニカワ、フノリにて定着
4・ミョウバンにてコーティング
簡単に施工法を書きましたが、それぞれ凄い技、集中力が必要です。
そんな截金技法について全技連表具師マイスタ−の野原 尚二さんを
講師に招き、勉強いたしました。
截金とは何ぞや?、に始まり材料である金箔のこと、様々な技法の
説明を写真を交えて講演戴きました。
また、実演として細い金箔の糸をさらに切断(約1mmの巾)、その細い金糸を
左右2本の筆を使って貼り付けていく作業をして頂きました。
技術の高さと根気のいる作業にただただ驚くばかりでした。
金糸を切断普段何気なく見ている物に色んな技法が施こされているのだと目からウロコでした。
今後、物の見方が少し変わるだろうと実感した内容のある時間でした。
金糸を貼り付け
右の作品は小さくて見えにくいのですが表面の周囲に截金細工が施こされています。