LAF26 伝統と継承③ [更新日:2025年5月29日] 伝統と継承 第3回 を開催しました。 〇日 時 令和7年5月29日(木)10:00~12:00 〇場 所 常西用水土地改良区上滝出張所 〇講 師 常西用水土地改良区 事務局長 水谷 英二 氏 〇テーマ 「常西合口用水130年、世界かんがい施設遺産に登録」 講義の前半は、「常西合口用水の物語」という動画で常西用水の歴史など詳しく学びました。常西用水は富山市全域の用水を管理しておられ、上滝から流杉、藤ノ木、経堂、新庄という流れで水がいきわたっているそうです。用水は農業と密接にかかわっており、稲作には田植えから稲刈りまで水が必要なため、安定した水の供給が必要とのこと。常願寺川は暴れ川であり、災害との戦いを続けてきたそうです。安政の大地震以降、大雨の度に土砂が流れ出して洪水被害が甚大だったようです。ヨハネス・デ・レーケが行った治水事業の一つに用水の合口化があり、一万人以上が工事に関わり、短期間で完成させるという偉業を成し遂げました。 常西合口用水は、令和2年に富山県で初めて世界かんがい施設遺産に登録されましたが、その理由は100年以上前に作られたことと、佐々提など歴史的価値が高いからだそう。当時10施設が申請し、3施設だけが登録されました。 発電事業の一環として有峰ダムの発電所計画がありましたが、稲作に適した水温の水を供給するために、北陸電力と「有峰ダムの表面から取水する」という約束を取り付けたそうです。 お天気にも恵まれて後半は常西用水プロムナード周辺を歩きました。昔、人の手で掘って作った隧道を見学したり、水神社に祀られている神様が奈良県にある丹生川上神社とつながりがあることを聞いたり、水車や発電所、堰堤を見学したりしました。 受講者から様々な質問が出ましたが、丁寧に答えていただきました。用水で富山市全域に水がいきわたっているのは、農家が農業を続けているおかげであり、常西用水土地改良区の方々が管理・利水調整していただいているからだということが理解できました。 受講者の皆様からは、 「さまざまな配慮されて今に至ると思うと感謝でいっぱいです。大変おもしろかったです。」 「用水の使われ方が理解できた。現地での説明もあり良かった。」 「富山はとっても水が豊富そしておいしいことが理解できました。新緑もいいけれど、桜満開時期に今日のコースで散策してみたいです。」 などの感想をいただきました。 《おまけ》講座の中で説明されていた、「新庄の赤門」の写真です。 (R7.5.27撮影) 次回は、6月12日(木)「サステナブルなモノづくり:伝統木工技術と環境問題への取り組み」 講師は、株式会社タニハタ 代表取締役社長 谷端 信夫 氏です。 お問い合わせ先 富山地区センター 〒930-0009 富山県富山市神通町二丁目12番20号 電話番号:076-441-0301 FAX番号:076-441-0328