つながるふるさと学びコース「日の本の文化を楽しもう」 第1回を実施しました。 [更新日:2025年12月3日] 日 時: 令和7年11月8日(土)13:30~15:30 会 場:県民カレッジ砺波地区センター 第2学習室 講 師:富山県水墨美術館学芸課 学芸員 金山 謡 氏 講座題:「大河ドラマでも話題!浮世絵の魅力」 講座風景 富山県水墨美術館学芸課 学芸員 金山 謡 様 を講師にお招きして、「大河ドラマでも話題!浮世絵の魅力」と題し、ご講義いただきました。 以下、講義の一部を掲載いたします。 長く続いた戦乱の憂き世が終わり、江戸時代にウキウキの世=浮世を画題にして制作されたことから浮世絵と呼ばれた。 浮世絵は大きく分けて、木版画と肉筆画の2種類がある。 木版画は絵師が原案を描いて、それを元に彫り師が版木を彫って、刷り師が印刷するという分業で制作されていた。 肉版画は絵師が直接筆で紙や絵絹に描いた世界に1つだけの絵なので、木版浮世絵よりも価値が高く、当時から富裕層向けであった。 浮世絵が出た当初は白黒で、鈴木春信の頃には錦絵と呼ばれる多色刷りの版画が登場した。モチーフは、菱川師宣時代の江戸前期は美人画と役者絵、歌麿時代の江戸中期は女性や役者の大首絵、北斎、広重の江戸時代後期は名所絵、日常風景などに変遷し、幅広い題材に人気があった。 浮世絵が後の時代の西洋の画家たちに非常に大きな影響を与えていた事が知られている。 文明開化の時代、万博で日本の技術の高さに評価が集まり、日本の美術工芸を海外に輸出する起立工商会社が創設され、外貨獲得につながった。また、1867年のパリ万博では、日本パビリオンで当時の日本の日常生活が表現され、日本美術ブーム《ジャポニズム》が起こった。浮世絵は富山県人 林忠正により、海外のコレクター、画家、知識人たちに紹介され、国際的な評価を高めた。 浮世絵の系譜を受け継ぐ作品を展示した日本画展が水墨美術館で開催中である。(~12月14日(日)) --------------------------------------------------------------------------- 受講者の感想 ・段階を追って分かりやすく解説していただきとても良かったです。浮世絵は機会があれば見に行くこともあったのですが、今日の講義を聞いてまた違う視点を得ることができました。また水墨美術館に行きたくなりました。とても面白かったです。ありがとうございました。金山さんがとても絵が好きな人だということが伝わってきました。話を聞く機会があれば再び聞きたいです。(40代) ・大河ドラマ「べらぼう」は続けて観ていないので「私が参加してもよかったのかな」と申し訳なく思いましたが、ドラマは観ていなくても浮世絵の時代分けやその時代の絵師の名前の勉強になりました。自分は浮世絵の中でも色がきれいな江戸時代後期の絵が好きです。ペットを題材にした絵は最近では佐藤記念美術館や水墨美術館の「どうぶつ百景」で鑑賞したので親しみやすかったです。ありがとうございました。(50代) ・大変話が分かりやすかった。パリ万博で日本パビリオンが大好評で浮世絵だけでなく工芸や古美術も海外の作品に影響を及ぼした。ジャポニズムという言葉を初めて知った。以前の講座で林忠正の功績は教えてもらった。(70代) ・他の講座で林忠正の名前を聞いたことがあり、どんな人物か関心があった。今日は分かりやすかった。現代も江戸時代もペットは犬猫同じだということがわかり、可愛いという気持ちは変わらないのですね。(70代) --------------------------------------------------------------------------- お問い合わせ先 砺波地区センター 〒932-0114 小矢部市清水95-1 電話番号:0766-61-2020 FAX番号:0766-61-2008