常願寺川では古くから人々が堤防を築くなど、治水対策を行ってきましたが、江戸時代末期の安政飛越地震による立山カルデラの形成により、その後常願寺川の氾濫は頻発し、その被害も甚大なものが続きました。
講座では、この地震やその後の川の氾濫についての当時の記録をもとに、具体的な家屋の被害数や、人々が互いに助け合いながら避難していた様子、加賀藩の対応を紹介いただきました。
これらの記録からは、後世を生きる私たちに向け、その被害を伝え、自然災害に対する備えを常とするように、とのメッセージが読み取れます。高野先生は、具体的な家屋の被害数などを現代の地図上に落とし込むなどの手法で、私たちの実生活に即し、分かりやすく紹介いただきました。
砂防ダムの建設や堤防の整備など、治水対策は現代でも続いていること。自然は私たちの想像を超えた力を時に示すことなど、今回の講座では、過去の資料や常願寺川周辺の現在の様子などを見ながら、自然に恵まれながらも、これと対峙していかなければならない富山県の生活を改めて考えるものとなりました。
|