天平の頃、越中の国司、大伴家持(おおとものやかもち)が越中の領内を巡視し、浦山の熊野権現に宿泊した際に、
鶏の音も 聞こえぬ里に 夜もすがら 月よりほかに 訪うひともなし
早朝、社殿のほとりの桜の木の下から、勇ましい羽音とともに、鶏の鳴き声が聞こえてきた。人里が離れており、鶏がいるはずがないのに、不思議なことだろう。月以外に訪ねてくる人もいないのに…。
この歌にちなみ、熊野権現を「鶏野神社(けいやじんじゃ)」、大伴家持が記念として植えたとされる境内の桜は「月訪の桜(つきといのさくら)」と伝えられています。
月訪の桜は、樹齢百年を得て、台風により一度倒木し、その後、もとの桜の子が2代目として現存し、市指定の文化財となっています。
詳しくは、浦山交流センター☎0765-65-2090までお尋ねください。
参考文献:浦山小学校教職員編集冊子「ふるさと浦山」、黒部市教育委員会発行「黒部の文化財」
[歌碑] [月訪の桜]
所在地 |
〒938-0862 黒部市宇奈月町浦山1012 TEL:0765-65-2090 FAX:0765-65-1528 |
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