「高岡地区教養講座」第2回を実施しました。 [更新日:2022年6月8日] 日時 令和4年6月3日(金)14:00~16:00 会場 ウイングウイング高岡5階 503/504研修室 演題 風景に刻まれた富山哲学 ―アメリカ軍が尊敬した南原繁の遺産― 講師 富山国際大学子ども育成学部 教授 大藪敏宏 氏 【講座の概要】 ・南原繁(1889~1974)は、1914(大正3)内務省入省。1917(大正6)27歳で射水郡長となる。在任中の功績は、①湿田の乾田化 ②農業公民学校(現小杉高校)の創設 ③女性の地位向上のための婦女会の結成がある。 ・射水郡(高岡市~射水市)の「過去と現在の風景」を比較したり、看板「ゴミを捨てないで」を読み解いたりして、湿田の乾田化(農地改良)の功績が分かる。また、大島村婦女会の功労者が後に富山県知事になる吉田実の実母、吉田久であった。 ・1921(大正10)より東京帝大で教鞭を執り、1945(昭和20)末に総長となる。初代最高裁判所長官や宮内庁長官等を打診されても全て断るが、戦後教育改革を担った教育刷新委員長だけは引き受ける。教育基本法と「六三三制」の新学校制度の創設という戦後教育改革の礎を築いた。 ・松本丞治、吉田茂、白洲次郎らが新憲法の取りまとめに後手に回った一方で、南原の電光石火の先手によって、日本側(敗戦国)が戦後の教育改革の主導権を握ることに成功した。GHQ教育部長は南原に対して畏敬の念を抱いていたという。 【受講者の感想】 ・教育者としての南原とは別の側面から迫るお話が聴けました。国土形成や人間形成、あらゆる点に教育・哲学・教養が背景につながる南原の功績にただただ驚くばかりでした。 ・今回の講演を聴いて改めて感じたのは「地域学習」の大切さです。100年前の南原繁、50年前の吉田実、そして現在に続く郷土発展のあゆみ。もっともっと学びたい講座になりました。 ・大藪先生の熱意溢れるお話に引き込まれ、ふるさとクイズも楽しく参加。小杉高校、射水の風景など親しみやすく、そしていつの間にかアカデミックな内容に導いていただきました。 【次回予告】 第3回高岡地区教養講座 日時 令和4年7月1日(金)14:00~16:00 会場 ウイングウイング高岡5階 503/504研修室 演題 「健康寿命を延ばす食生活」 講師 富山短期大学 食物栄養学科 准教授 大森 聡 氏 お問い合わせ先 高岡地区センター 〒933-0023 高岡市末広町1-7 ウイング・ウイング高岡7F 電話番号:0766-22-5787 FAX番号:0766-22-5872