LSA57「そこが知りたい!新川の歴史」第1回 [更新日:2025年6月5日] つながる学びわくわく講座つながるふるさと学びコース(地区単独型) LSA57「そこが知りたい!新川の歴史」第1回 「北陸とコシと親不知」 日 時:令和7年5月31日(土)10:00 ~ 12:00 場 所:富山県民生涯学習カレッジ新川地区センター 講義室 講 師:富山大学 学術研究部 人文科学系 教授 鈴木 景二 氏 講師の鈴木先生 多くの受講者が参加されました 質問に熱心に回答される先生 富山大学の鈴木先生より「北陸とコシと親不知」と題してお話しいただきました。演題にある「北陸」とは現在の生活感覚として福井、石川、富山の3県を指すことが多いと考えられますが、実際には新潟県も含まれ、古代の国家による地方支配制度が設定した枠組みが由来となっていることがわかりました。また「コシ」とは「高志」という漢字がよくあてられ、北陸道諸国(現在の福井県から新潟県に至る地帯)を表しますが、古事記や日本書紀の記述、古墳の発掘調査などから本来の「コシ」とは新潟の上越から北と考えられると教えていただきました。さらに古代の法律に日本列島東方への境界地帯として記された北陸道の神済(かみのわたり)を「親不知」とするならば、親不知以北が本来の「コシ(高志・越)」と考えられ、古事記に記される出雲の大国主命がコシのヌナカワ姫に求婚に来たという話も出雲の新潟への進出と考えられると丁寧に説明していただきました。受講者にとって本講座から新たな視点を得て、「北陸」という地域区分や「コシ」が指す範囲、加えて北陸と出雲とのつながりについて学びを深める機会となりました。 <参加された皆様の感想より> 「四隅突出型墳丘墓の存在から、富山と出雲が関係があったことに、大変興味深かった。」 「古い文書からいろいろ研究されていることに感心。普段住んでいる場所の壮大な歴史を感じました。」 「親不知の重要さを再確認。箱根、足柄に匹敵する、日本列島の重要な所だと。神済という言い方も面白いです、越後はまず海運が先だったというのも納得!」 「ずーっと話を聞いていたい!そんな気持ちにさせてくれる講座でした。わからないことを想像しながらいろいろ考えを巡らすことはとても楽しいですね。」 「本日の講座で古代では(高志、越)の範囲の広さにびっくりしました。富山県内では「高志」という言葉がよく使われていましたので、福井から新潟までの範囲の広さに思いを改めました。とても興味のあるお話でした。」 次回は6月21日(土) 第2回「新川地域の八百比丘尼伝説を考える」 講師は 元富山市埋蔵文化財センター所長 藤田 富士夫 氏 です。